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経営業務管理責任者の要件と経営経験を証明する方法

経営業務の管理責任者とは

*2020年10月8日追記
2020年10月1日の建設業法改正により、「経営業務の管理責任者」の名称はなくなりました。ただし、旧制度とほぼ同じ要件の「常勤役員等」が必要です。また、複数業種の許可を受けるには6年の経営経験が必要でしたが、こちらは5年に緩和されています。

3年前に防水工事の会社を作ったんですよ。建設業の許可は5年経たないと取れないって聞いたんですけど、仲間の知り合いが会社を作ってすぐに許可を取ったみたいなんですよね。何か裏技があるんですか?

経営業務の管理責任者になれる人


まあ、裏技というわけじゃないんですが、そもそも「会社を作ってから5年」という条件ではないんですよね。経営業務の管理責任者……よく「経管」て言われるんですけど、要するに建設業の経営を5年以上経験している人が必要なんですよ
なので、最初からその経管になれる人が新しく会社を作った場合なんかは、すぐにでも許可を受けられる可能性があるんですよね。

ああ、そういうことなんですね。
経営って、社長やってたってこと?


いえ、社長だけでなく、専務とか常務とかの役員でもいいんですよ
あとは個人事業主ですね

あ、個人は少し経験ありますよ。
会社作る前の1年くらいですけど。


お、その期間は足せるかもしれませんね。
そのころの確定申告書とか残してます? 税務署のハンコが押されたやつ。

たぶん、家にあると思いますよ。
じゃあ、あと1年くらいで取れそうですね。


まあ、細かい点は後で確認するとして……社長じゃなくて役員の誰かでも経管になれるんですけど、会社に社長さん以外の役員さんています?

会社は弟と一緒に始めたんで、それが取締役になってますよ。


弟さんも同じような感じですかね?

弟はずっとクロス屋やってたんですよ。
ちょうど自分と同じころに独立したので、一人親方は1年くらいですかね。

異なる業種の経験で経管になるには


うーん。違う業種の経営経験も認められるんですけど、いずれにせよ合計で5年以上必要なんですよね。

へえ。でも、クロス屋の経験でもいいんですね。


ええ。*前は「許可を受けようとする業種で5年」か、「それ以外の業種で6年」という条件だったんですけど、今は複数業種の組み合わせでも5年で満たせるようになったんですよね。
もちろん、建設業じゃないとダメですけど。
*令和2年10月1日建設業法改正以前

じゃあ、飲食の会社とか経営しててもダメなんだ。


そうなんですよね。
建設会社の役員経験などが5年以上あると、どの業種でもいわゆる「経管」にはなれるんです。
ちなみに、複数の業種の経管を一人で兼ねることもできますよ。


ああ、何個も許可持ってる業者さんいますよね。


ただ、許可を受けようとする業種の技術者が必要になるので、そう簡単に何業種も受けられるわけではないんですけどね。


そりゃそうか……。
まあ、まずは防水が取れればいいかな。

建設工事の請負とは


一つ確認させてほしいんですけど、独立してから人工出しで現場に行ってたことってあります?

会社にしてからはないけど、一人親方を始めたころは少しあったかな。


うーん。経営の経験年数を数えるときは、人工出しは入れられないんですよね
同じ時期に請負工事の実績もあれば、そっちで数えられるんですけど……。

ああ、ほとんどが請負ですよ。
独立して半年くらいですかね、前の会社を何度か手伝ってたことがあるくらいなんで、問題ないと思いますよ。
でも、なんで人工出しだとダメなんですか?


えーとですね、請負のときって、注文を受けてから材料やら職人さんやら手配しますよね。
で、その支払いって工事代金の入金より先じゃないですか。

そうなんですよね。


その間の資金繰りとかも含めて、建設業の経営経験て考えられているみたいなんですよ。
でもって、許可を受けて500万円以上の工事を請け負うようになると、そのへんの金額も大きくなるじゃないですか。

たしかに。


なので、ある程度はそういう資金繰りとかの経験を積んでいないと、許可を受けられない仕組みになっているんですよね。
逆に、人工出しだと材料代とか外注費とかのやり繰りを考えなくてもいいんで、さっき言った経営の経験とは認められないんでしょうね。

なるほどねえ。
たしかに、最初のうちは金がいつ入ってくるのかとか、そういうのがよくわからなくて、けっこう苦労しましたよ。
でかい工事を取って喜んでたら、支払いが足りなくなって慌ててこっちの銀行からあっちの銀行に移したりとか……。


ええ、よく聞く話ですよね。
そう考えると、許可を受けないと大きな工事を請け負えないっていう仕組みは、一応、筋が通っているんじゃないですかね。
まあ、5年ていうのが適切かどうかはわかりませんが。

経管の常勤性

さっきの話に戻りますけど、経営の経験が5年ある人を呼んできてもいいんですよね。
親戚に社長やってる人がいるんで、頼んでみようかな……。


その社長さんて、今も現役なんですか?

前は建設会社もやってたけど、今は不動産屋だけみたい。


いやいや、他の会社で社長やってたらダメですって。
自分の会社で常勤の役員というのが条件になっているんで、基本的には「営業日はいつも出勤しています」みたいな感じじゃないと。
なので、会社名の入った保険証を持っていないと、認めてもらうのはなかなか難しいですよ

ああ、そういうことか……。


あと、本当に会社に通えるかどうかってことで、住所も見られますよね。
会社まで片道2時間とかになると、追加で書類を出さなきゃいけないこともあるみたいです。

まあ、それはあるでしょうね。


現役だと難しいんで、引退した人にお願いする手もありますよ。
許可のある建設会社で役員をやっていた人とか、役員じゃなくても支店長やってた人なんかは、場合によってはこの経管の条件を満たしていることがあるんですよ
そういう人が手伝ってるケースもあるみたいですね。年金ももらっているので、報酬少なめで済む可能性もありますし。

ああ、そういうもんか。


といっても、自分の会社の役員になってもらうんで、誰でもってわけにはいかないでしょうけど。

そんなわけで、経管の条件をまとめると、こんな感じですかね。

経営経験を証明するには

そうなるとやっぱり、自分が責任者になることになりそうですね。
あと1年がんばるとして、何か気をつけることってあります?


5年間の経験を証明できるかどうかが、ポイントになってきますね。

証明って、どうやってするんですか?


基本は契約関連の書類ですね。
普段、契約書とか作ってます?

いやあ、ゼネコンじゃないんだし、そんなの作らないでしょ。


まあ、元請さんによっては作っていることもあるんですが、ないことも多いですよね。
あとは、注文書と請書のセットか、請求書とその代金が振り込まれた通帳のセットですかね。
ようは、自分の会社だけで作れちゃう書類じゃダメなんですよ
 


なるほどねえ……。
請求書だったらパソコンに入ってますよ。
印刷したやつは向こうに渡しちゃうんで、残ってないですけど。


また打ち出せれば問題ないですよ。
通帳は大丈夫ですかね?

うーん。一応、残してはいるんだけど、記帳が抜けちゃってる部分もあるんだよね。


ああ、それは銀行で取引履歴を出してもらえると思いますよ。ちょっとお金かかりますけど。

じゃあ、証明は大丈夫そうですね。
でも、5年分ていったら、かなりの量ですよね?


全部を出さなくても大丈夫ですよ。
金額にもよりますけど、東京はだいたい月に1件が目安ですかね。

5年だと……60枚か。


ですね。
工期が長いものなんかですと、1枚で何か月分も証明できる場合がありますけど。
まあ、実際に申請するときは私が整理しますんで、そこはあんまり心配しないでください。

まとめ

一応、知り合いにも聞いてみますけど、あと1年は我慢ですかね。


元請さんが待ってくれるなら、無理しないで社長が5年の経験積むのが無難でしょうね。
さっきも言ったとおり、経験を証明するのに請求書などが必要になりますので、ちゃんと保管しておいてくださいね。

了解です。


あと、データが消えちゃうと大変なので、念のためにバックアップは取っておいてくださいね。

ああ、それはやらないとまずいですね。


じゃあ、また何か動きがあったら、早めに相談してください。

わかりました。
またお願いします。

補足

経営経験に数えられない仕事


人工出しって、けっこうあるんですか?


ですね。
「常用」とか「手間請け」とか呼ばれることもあるみたいですけど、あれってけっこう、グレーなんですよね?


そうなんですよね。
他の会社の建設現場に自分のところの職人さんを送り込んじゃうと、派遣法に引っ掛かる可能性がありますから


まあ、一人親方が「日当いくら」みたいな感じで請け負うパターンは、よくあるみたいですよ。
なので、申請の窓口でも、審査担当がそのあたりをチェックしているような気がします。
財務諸表の工事原価に材料費が載っているかどうかとか、けっこう見てますよね。あと、入金がいつも同じような金額じゃないかとか。


へえ、そこまで見られるんですね。
他にも経営経験に入らないものってあるんですか?


よく、道路の脇で木の手入れしている人たちいるじゃないですか
あれは造園業者さんがやっていることも多いんですけど、造園工事じゃないんですよね。


へえ。


あと、機械のメンテナンスなんかも、工事にならない場合がありますね
空調工事の業者さんなんかは、注意が必要ですかね。


ほう。


それとよく言われるのが、造船工事ですかね
土地に固定されていないからダメなんだそうです。
大型の船だと、客室なんかは下手な家より豪華なんでしょうけどね。


ですよね。
ちなみに、労働安全衛生法に「特定元方事業者」という制度があって、それは建設業と造船業に適用されるんですよ。
どちらも重層下請構造になりやすいので、安全衛生管理に関して特別の規定があるんですね。


へえ。
まあ、造船は建設業じゃないといっても、実際に工事をしている業者は許可を受けていることが多いみたいですよ。


大規模なものもあるでしょうからね。


あと、そもそも請負契約なんで、相手がいないと成り立たないじゃないですか。
なので、自分の家を建てた場合なんかも、経験には入れられないですね


なるほど。でも、あんまりないケースですよね?


よく言われるのは、建売住宅の場合ですね
不動産屋さんが自分で買った土地に自分で家を建てて、その後で売る場合は建設工事の請負にならないんですよ。
でも、お客さんからの注文で家を建てる場合は、請負になるんですね。


ああ、そういうことか。

比較的楽に証明できるパターン


話は変わりますけど、経営経験の証明って大変なんですね。


そうですね。
許可を受けている会社で役員の経験がある人なんかは、かなり少ない書類で済むんですけど


ああ、役員なら登記されてますもんね。


ただ、監査役の経験は年数に入らないとか、細かい条件はありますけど
まあ、小規模な会社だと、やっぱり独立した社長さんが自分の経験で受けるパターンが多いですかね。


それで「独立して5年」というイメージがあるんですね。


まあ、許認可の中でも経営経験が条件になるのは特殊なので、廃止も検討されているみたいですけどね……

Posted in 許可・経審・入札

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